大判例

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名古屋高等裁判所金沢支部 昭和26年(う)291号 判決

弁護人の論旨第一点は要するに原判決第二に認定の本件綿糸需要者割当証明書を偽造した昭和二十五年一月二十七日頃には勿論其の発行日附である昭和二十四年十二月二十六日、二十八日、二十九日、三十日頃には大阪通商産業局福井分室なる公務所は存在しなかつたものであるから右名称の公務所印及記名を使用した文書が一般的に正当な公文書として他人を誤信せしむるに足るものであるか否かにつき審理を尽さなかつた原判決は失当であると謂うのであるが原判決援用の荻原繁の検察官に対する供述調書に依れば大阪通商産業局福井分室は昭和二十四年十月三十日まで存在したものであつて同年十一月より其の機構が改められ福井県商工資材事務所と改称せられたものであること及其の管掌事務が改組後も同一系統に属するものであることが認められる。そして本件各偽造割当証明書の発行日附は昭和二十四年十二月二十六日乃至同月三十日で右改組の約二ケ月後であり本件偽造及行使の日時は昭和二十五年一月下旬であるから以上の日時関係及管掌事務が前後略同様である点より考察すれば縦令右発行日附の当時及偽造行使の頃には本件公務所の改組名称変更があつて旧名称が廃止せられていたとしても其の旧名公務所の記名、印章を使用した文書が正当な公務所の公文書として取扱れることのあることは一般的に考えられることであるから原審が此の点につき特に証拠調をしなかつたからとて審理不尽であると謂うことはできない。論旨は理由がない。

(註 本件は量刑不当により破棄自判)

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